これまで3つの大きな選挙で負けても続投し続けていた石破首相が、遂に辞任する決意を固め、自民党の総裁選が行われることになりました。
今回は、新たな自民党の総裁を決める総裁選の日程、各候補者の政策概要などについて紹介していきます。
また、新たな総裁候補「ポスト石破」の有力候補として、高市早苗氏や小泉進次郎農林水産大臣の名前が挙がっているので、そちらについても解説していきます。
石破首相自民党総裁辞任までの経緯!
出典元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK071760X00C25A9000000/
2024年9月に総裁に就任し、10月の首班指名選挙で内閣総理大臣に指名された石破首相ですが、首相就任間もなく衆議院を解散し衆院選に臨みましたが自民党は大敗し、少数与党となりました。
それでも総理・総裁を続投した石破首相でしたが、2025年6月の東京都議会選、翌7月の参院選と続け様に敗れ、2つの国政選挙と首都東京の議会選挙、と3連敗を喫し、衆参ともに少数与党となってしまいました。
それでも石破首相は続投し続けましたが、2025年に入ってから石破首相に退陣を求める「石破おろし」の声が上がり、都議会選後から石破おろしの声が大きくなりました。
そして参院選の結果により石破おろしは国会議員だけでなく全国各地に広がりましたが、それでも続投し続ける石破首相に対し自民党内からは「総裁選を前倒しするべきだ」との声が挙がりました。
総裁選の前倒しは、麻生太郎最高顧問をはじめ、地方の自民党県連でも総裁選の前倒しを要望する地域も出始めていました。
総裁選の前倒しのムードが高まっていた9月7日、遂に石破首相が自民党総裁を辞任する意思を固め、同日に行われた記者会見で正式に表明しました。
総理・総裁に就任して約1年で石破政権に幕を閉じるようですね。
自民党総裁選の日程は?
自民党総裁の任期は3年と定められていますが、石破首相の任期はまだ1年しか経っていないので、任期満了によるものではない「臨時総裁選」として実施されます。
石破首相の後任を決める総裁選は、10月4日に投開票が行われる予定です。
また、総裁選の選挙方式は、国会議員だけでなく、全国の党員・党友による党員投票も実施する「フルスペック方式」で行われます。
自民党総裁選の有力候補は高市氏?小泉氏?
出典元:https://mainichi.jp/articles/20250922/k00/00m/020/194000c
総裁選が9月22日に告示され、候補者は届け出順に
①小林鷹之氏(元経済安全保障担当相)
②茂木敏充氏(前幹事長)
③林芳正氏(内閣官房長官)
④高市早苗氏(前経済安全保障担当相)
⑤小泉進次郎氏(農林水産大臣)
の5名で争います。
上記の5名は、昨年行われた総裁選にも出馬しており、石破首相と決選投票まで争った高市候補や、人気の高い小泉候補が今回の総裁選で有力候補に挙げられています。
総裁選に出馬した5名の候補者の政策
ここからは、各候補者の政策について紹介していきます。
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小林鷹之候補
出典元:https://www.jimin.jp/election/results/sousai24/candidate/kobayashi_takayuki.html
年齢:50歳
選挙区・当選回数:衆議院千葉2区・当選5回
「こばホーク」という愛称で知られている小林候補の総裁選の政策はこちら。
・若者・現役世代の所得税を定率減税
・防衛費を増額
・外国勢力の情報干渉に刑事罰や登録制
・外資による企業や土地の買収規制強化
・AI・量子など戦略産業に大胆な投資
・石破政権の防災庁構想を進める
茂木敏充候補
出典元:https://www.jimin.jp/member/100535.html
年齢:69歳
選挙区・当選回数:衆議院栃木5区・当選11回
前幹事長を務めた茂木候補の総裁選の政策はこちら。
・平均年収を3年後(2028年)に500万超にする
・社会保険料の引き下げを目指す
・物価高対策の地方交付金を創設
・日銀は大規模緩和を段階的に正常化
・消費税減税に慎重
林芳正候補
出典元:https://www.yoshimasa.com/
年齢:64歳
選挙区・当選回数:衆議院山口3区・当選2回(参議院・当選5回)
内閣との要となる内閣官房長官を務めている林候補の総裁選の政策はこちら。
・実質賃金1%上げの定着
・2040年問題に対応するため持続的な社会保障制度を構築
・自民党改革へ党網領を改定。中選挙区制度の良さを見直す
・艇・中所得世帯に対し所得に応じた支援を行う「日本版ユニバーサルクレジット」の創設
高市早苗候補
出典元:https://www.mskj.or.jp/profile/sanae-takaichi.html
年齢:64歳
選挙区・当選回数:衆議院奈良2区・当選10回
今回の総裁選で有力候補の一人とされている高市候補。
総裁に選出されると、自民党結党以来初の女性総裁、総理に指名されると憲政史上初の女性総理と期待されている高市候補の総裁選の政策はこちら。
・「給付付き税額控除」の制度設計に着手
・「年収の壁」引き上げなどの制度整備
・ガソリン暫定税率の廃止
・外国人の不法滞在者対策や土地取得規制
・憲法改正 男系の皇統守皇室典範改正
・スパイ防止法の制定・サイバーセキュリティー
小泉進次郎候補
出典元:https://www.facebook.com/shinjiro.koizumi/
年齢:44歳
選挙区・当選回数:衆議院神奈川11区・当選6回
農林水産大臣としてコメの対応により自民党内で評価を上げ、高市候補同様有力候補の一人とされている小泉候補の総裁選の政策はこちら。
・2030年度までに平均賃金を100万円増やす
・投資した初年度に減価償却費一括計上できるようにする投資減税
・ガソリン暫定税率の廃止
・物価や賃金の上昇に対応し基礎控除を調整する仕組みを導入
・医療・介護などで働く人の処遇を決める公定価格の引き上げ
・防災庁の設置
・コメ農家が増産に取り組める安全網
参院選公約の『一律2万円の現金給付』の実現は?
自民党が参院選で掲げていた、国民一人あたり2万円の給付、子どもがいる世帯や住民税非課税世帯などの低所得世帯にはさらに上乗せして2万円を給付する公約の実現ですが、林候補以外は否定的です。
ただし、林候補は2万円の現金給付の公約実現は当初否定的で、石破政権の官房長官として政策を策定する立場であったことから不適切だったと謝罪し賛成に転じています。
高市候補は参院選の敗北を受け2万円給付の公約について「国民からしっかりとノーを受けた」と総括しており、小泉候補も「(現金給付は)実現したいけど、実現するには難しい」と消極的でした。
恐らく、どの候補が総裁になったとしても2万円の現金給付を実現するのは難しいのかもしれないですね。
ただし、この記事の作者は、現金給付の否定は建前で、本当は現金給付に積極的な候補もいるのではと予測しています。
ご存じのように参院選で自民党は現金給付を公約に掲げて敗北し、もし総裁選で公約の現金給付実現を公言すれば、国民から再び選挙対策のバラマキと批判され、現金給付に否定的だった野党の協力を得られなくなります。
減税などはもちろん大事ですが、一度公約に掲げており、お金に困っている人も少なくないので、早かれ遅かれ現金給付は実現するべきだと思います。
その為には、野党が望む政策を実現させることが重要です。
消費税減税は?
参院選の公約で野党のほぼ全てが掲げていた消費税の減税や廃止ですが、こちらは5人の候補者全員が否定的でした。
自民党にとって消費税減税はハードルが高過ぎるようですね。
野党との連携は?
新総裁に求められるのは、野党との連携です。
現在連立を組んでいる公明党は、自民党と同じく2度の国政選挙で大敗を喫しており、公明党の斎藤代表は「党存亡の危機」と述べています。
少数与党となった現在の政局では、自民党、公明党だけでは政権運営は難しくなりました。
総裁に選出された後、総理に指名されるためには、自民・公明以外の野党との連立/協力が必至です。
各候補者は野党のどの党と協力をしていくことを模索しているのかは以下の通り。
小林候補:不明
茂木候補:日本維新の会、国民民主党
林候補:日本維新の会
高市候補:国民民主党、立憲民主党
小泉候補:日本維新の会、国民民主党
小林候補:保守色が強い小林候補ですが、連立を組む野党については不明です。
小林候補は、政策によって、その政策に対応や理解が出来る野党と協力していくことを模索しており、「数合わせで連立することは本末転倒だ」と指摘しています。
茂木候補:幹事長を務めていた岸田政権時代に国民民主党を連立に加えようと協議していた。候補者の中では最も国民民主党との関係が良好とされる。
林候補:日本維新の会の馬場前代表と会食するなど関係は良好。
高市候補:保守色が強い高市候補ですが、今回の総裁選では保守色は若干抑え気味にしており、国民民主党と協力をしていくのではないでしょうか。
と言うのも、国民民主党の公約である「年収の壁の引き上げ」について高市候補は「大賛成だ」と述べていることから、年収の壁引き上げを実現させるために国民民主党と連立を組む可能性があります。
また、連立を組むとまではいかなくても、政策によって立憲民主党と協力をする可能性もあります。
高市候補が政策で掲げている「給付付き税額控除」は、立憲民主党の野田代表が昨年の代表選で掲げていた政策であり、石破政権でも自民・公明・立憲の3党で給付付き税額控除の協議が始まっています。
高市候補が総裁になった場合でも給付付き税額控除の協議が継続する可能性が高いことから、立憲民主党とも協力するのではないでしょうか。
小泉候補:日本維新の会の吉村代表と良好な関係を築いており、日本維新の会を連立のパートナーに指名する可能性は高い。ただ、国民民主党とも良好な関係を築いていることから、茂木、林両候補の最大のライバルとも言える。
候補者のほとんどが、日本維新の会や国民民主党との連立や協力を模索しているようですね。
ただ、保守色が強い高市候補や小林候補が総裁になった場合、同じ保守系の参政党と協力していく可能性も否定出来ません。
新総裁選出で公明党との連立は解消?
公明党の斎藤代表は、保守中道なら良いが、高市候補や小林候補(特に高市候補)のようなガチガチの保守とは連立を組めないと述べており、仮に高市候補か小林候補が総裁・総理に選出された場合、公明党との連立は解消される可能性が高いです。
高市候補が新総裁に選出されたら、公明党との連立が解消されるのは、ほぼ確実と考えて良いです。
斎藤代表の「保守中道なら良いが・・」という言葉は、言い方を変えると「(筋金入りの保守である)高市早苗とは連立を組みたくない」というメッセージに置き換えられます。
ただ、茂木候補、林候補、小泉候補が総裁になった場合でも、公明党との連立は解消されるのではないでしょうか。
その理由は、かつて関西では盤石と言われていた公明ですが、関西での議席を全て維新に奪われてしまったことで、公明は維新を嫌っています。
そのことから、公明と維新が一緒に連立に加わることは考えにくいでしょう。
また、自民党内で大きな影響力を持つ麻生太郎最高顧問は、公明党の支持母体である創価学会嫌いとして政界内では有名です。
約四半世紀続いた公明党との連立は、新総裁が選出されると終了するのでしょうか?
世間の反応は?
今回の総裁選ですが、世間では高市候補に期待する声が多いようです。
保守色が強く、初の女性総理・総裁が誕生する可能性のある高市候補に対し世間は注目しています。
一方、自民党内では人気が高い小泉候補ですが、世間からはイマイチ人気が無いようです。
まとめ
・総裁選の日程は、10月4日投開票
・今回の総裁選は、高市候補と小泉候補の一騎打ちになる可能性が高い
今回は、自民党総裁選の日程や有力候補の出馬について解説していきました。
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